2005-3-18
今回は現在制作中の作品「エンゼルフィッシュの日」の着想時を振り返り、小笠原がどのようないきさつでこの作品を制作するに至ったのかを回想してみようと思います。
手元にあるメモを調べると最初の着想は、2000年のことでした。
その夏、小笠原は当時別の作品を作っており、その作業が中盤をさしかかる頃でした。制作中にも関わらずその作品が抱える問題点、欠点、不満などは次々と浮かび上がり、焦燥感にあぶられ、諦念で脱力しつつ、さらに困ったことに作業に飽きてきちゃっていたのでした。しかし、すでにその作品に投げ込まれた時間と機材にかかった金額は膨大であり、止めちまうわけにも行きません。こんな時、逃避的行動もいい所ですが、時期尚早なこと甚だしくも次回作の構想に取り掛かってしまうことってよくありますよね?テスト勉強しないといけないのに部屋の掃除を始めてしまうようなものです。
さて、こちらをお読みになっている皆様、「エンゼルフィッシュ」と聞いてどのようなものを連想されるでしょうか?おそらく大半の方がかわいらしい熱帯魚のエンゼルフィッシュを思い浮かべることかと思います。熱帯魚店などの水槽で見たことのある方も多いでしょう。この魚、販売されている95%以上は養殖されたものなのだそうですが、アマゾン川産の野生種は「ワイルドエンゼル」と呼ばれて付加価値がつくそうです。
「ワイルドエンゼル」……。なんだか格好良い名前です。日本語にすると野生の天使だ。
ちょっと絵に描いてみよう。何しろワイルドだから、荒々しい感じに…。だけど、エンゼルっていうからには可愛くキューピッドみたいにしよう。

こんなのになりました。なかなか上手に描けた。恋する娘の背後に音も無く忍び寄り、手に持った銛で心臓を串刺しにするのだ!
この絵が「エンゼルフィッシュの日」の最初の一歩でした。
しかし、その辺にいた知り合いに得意げに見せたところ「きもちわるい」「可愛く無い」「変」「興味無い」と散々な言われ様。逃避的行動の果てに憂さが晴れることは無く、仕方無しに本来の作業に戻ったのでした。
このような経緯で思いついたタイトルが現在制作中の「エンゼルフィッシュの日」でした。
その後、七転八倒しつつも当時作っていた作品は一応完成し、「エンゼルフィッシュの日」の準備が本格的に始まりました。
主人公の少年の住む町に凶暴な空飛ぶ魚がやって来る、という基本的なストーリーがやがて決まり、シナリオの制作にかかったのですが、その後の作業においては数次に及ぶ停滞、後退、挫折を舐め、正に沼の底を這い進むような日々を半泣きでくぐり抜け、現在に至るも道程はまだ半ばにも及ばずという状況です。しかし、外から見て「大変そうだなあ」とか「何やってんだアホか」と思われるような事ほど、当事者は意外と楽しくやっているということも往々にしてあります。あるんだ!
ともあれ上記のような助走期間を経て来た「エンゼルフィッシュの日」ですが、今度は興味を持って見守っていただいた方々の眼前に愛らしい(?)エンゼルフィッシュが舞う様をお見せできるよう、現在鋭意製作中です。ウェブサイトでもキャラクターや世界観の紹介などをしていきますのでお楽しみに。
ではまた。
(ハイドラストローク小笠原 ヒサシ)


